京都建築(2019.8.20)
1053年に藤原頼通によって建立された。阿弥陀堂の別称として鳳凰堂と言われている。特徴として池の中島に建てられて水面に建物を映しており、10円玉と1万円の鳳凰として使用されている。神殿造りと日本建築の和様のくくりに属しており、上品で繊細だ。今で言うピロティにも通じる。浄土式庭園になっている。工事中で中を見ることはできなかったが内部には本尊阿弥陀如来像がある。
柱の上部同士を補強するため、長押を打つ
組物の間に蟇股(かえるまた)または間斗束(けんとづか)という部材を置く
柱は太く、天井を低めにしたものが多い
床を張り、縁側を造る
床下に亀腹を築く
日本建築和様の代表的な建物。
醍醐天皇の冥福を祈るため朱雀天皇が936年に着工し、951年に完成した。京都府下で最も古い木造建築物である。高さは38m
弁天堂
金堂
岐阜愛知建築(2019.8.19)
多治見市モザイクタイルミュージアム
日曜日に訪れる予定だったが月曜にズレてしまい内部は見ることが出来なかったので外観だけ。建物を見た時の印象として想像よりも巨大な建造物であった。入り口に入るために公園から下りのアプローチを通っていく。講演会で言っていた地面から生えてきたイメージで建設したが宇宙から降りたった宇宙船のようになったと言っていた意味も分かった。のちに行くラ・コリーナでも共通する部分だが藤森さんのアプローチの照明ひとつ見てもその場所に合わせたガーデンライトを考案して配置している。側面に出ている煙突が良いアクセントになっている。外壁は樹脂系塗材をコテ塗りし、その上から土を刷毛で塗り、その中にタイルの破片を散りばめている。
帝国ホテル中央玄関
帝国ホテルを移築して明治村に再現したものだ。
実際に東京で建てられた時の石や煉瓦も一部使われている。石は大谷石という凝灰岩を削って作られたものである。
こちらの建物は関東大震災が起きた際他の建物が崩れた中を生き残った。その理由が3つある。
1つ目はそれぞれの建物を分割してジョイントで繋いで作ってあるので力が分散される。
2つ目は当時ヨーロッパの建物は石と煉瓦を組み合わせただけの建物が多い中、ライトは肝心な部分には鉄筋コンクリートを使っていたので持ちこたえることができた。3つ目は江戸時代東京は湿地帯で徳川家が地盤改良をして住めるようになったことを利用して杭を打つ時に硬い岩盤まで打たずに柔らかい岩盤まで打って免震構造の役割を果たした。現在の建物では当たり前のように使われている技術であるが100年近く前にも同じ考え方がされている。
建物のイメージとしてマヤやアステカの神殿をイメージして作られたのではないかと言われている。しかし所々に和のテイストが入れられており3枚目の写真は光の籠柱は行灯から着想を得ている。平等院鳳凰堂の左右対象性も意識されている。
ライトは凝り性で工期も予算も伸びた。移転後に取り壊される予定の本館や別館も震災より前に家事で焼けてしまったので完成を急がれたが完成せず、ライトの弟子である遠藤新に引き継いで完成させた。
建物全体を見ると家具から全てにおいてライトが設計をしている。見えない所まで意匠を細かく再現するために10年かかっている。
聖ザビエル天主堂
パピノ神父
火災のあったノートルダム大聖堂と同じゴシック様式のカトリック教会堂で日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルを記念して設計された。ゴシック建築の構造上の特徴として、「リヴ・ヴォールト」と呼ばれる円形状の天井と、尖塔アーチ、「フライング・バットレス」と呼ばれる外壁を支える飛梁が挙げられる。リヴ・ヴォールトとは、石やレンガで組積みされたヴォールト天井に、「リヴ」と呼ばれるアーチ状の筋を付けたもの。これにより、ゴシック様式の教会や聖堂の内部は、重厚感と華やかさが共存する神秘的な空間となった。ロマネスク建築からの大きな進歩といえるのが、フライング・バットレスの存在だ。フライング・バットレスとは、天井の重みにより外壁が外側に倒壊するのを防ぐために設けられた斜め上がりのアーチ状の梁のこと。フライング・バットレスはゴシック建築の外観にリズムをもたらしただけでなく、大きな窓を造ることも可能にした。
鉄道寮新橋工場・機械館
明治から大正にかけて文明がどのように発展したか知ることができる。
ぎふメディアコスモス
グローブと呼ぶ膜によりゾーンが分けられグローブの上は光が入ってきて柔らかく照らす。グローブの繊維はメッシュで円や正六角形を連続させている。
1階の柱直径は60cm以上だが2階の柱直径が20cm程しかなく8m以上は間隔が離れているように見える。2階に関してはこの柱と外壁で支持力を分散させていると感じた。また木製格子状屋根のヒノキが仕上げ材の役割だけでなく構造材の役割も兼ね備えている。
本や木材を多く使っているので火災が起きた時は危険と感じたがグローブの隙間に違和感なく防火シャッターを設け、デッキから1階に降りる非常口も複数設けている。
本棚はコンクリートで骨組みができており少し台形に作ることで本棚を傾けている。
開架書庫を2階に置き、2階からの出入りに限定した閉館書庫を1階に置いてガラス貼りでエントランスから見せている。閉架書庫をガラス越しに見せている部分は火災時シャッターが閉まるようになっている。
https://g-mediacosmos.jp/cosmos/about/character.html
藤森照信建築旅行(2019.8.18)
茶室 徹
今回の旅で一番訪れたかった場所のひとつ
高さは地上4mで樹齢八十年の檜(ヒノキ)を使っている。中入ることは出来ないが建物が木陰になり涼むことができる。漆喰壁、檜、窓のバランスと写真で見るだけでは分からなかった部分を理解することができた。周りには桜が一面に植えられていて桜の季節ではより楽しめそうだ。
光の美術館
茶室 徹から徒歩20秒
安藤忠雄らしい打ち放しコンクリート造で内部にはアントニ・クラーベの絵が展示されている。上部はトップライトで縦長の空間なのでトップライトの光が壁を伝って地面に落ちてくる。人工照明がなく時間の変化とともに楽しめそうである。
第一展示室は階段の段差も利用して展示されており登っていくごとに奥に進んでいって最後は階段で中心から降りていく螺旋構造になっている。彫刻を展示するための光が入る空間が建物から飛び出てる。
神長官守矢史料館
藤森照信さんの処女作。館長らしき人が親切に教えてくれたが、土壁のような壁は土壁を模したモルタルになっており割れが起きない綺麗な壁に仕上がっている。ガラスはステンドガラスの素材を使用しており「茶室 徹」の窓にも見られた筋の入ったものだ。階段に関しては可動式で切り離された階段がくっついて登ることができる。登るごとに階段の幅狭まっていくことで奥行きを出している。
神長官守矢史料館の敷地内に3つ茶室があるのだが今日は茶会が開かれていたので普段はないはしごをかけられて窓が開いている状態を撮影することができた。
空飛ぶ泥舟
地面に大きく根を張って浮いている。横から見ると窓を開くと羽のようにも見えて空飛ぶ泥舟をより感じられた。 1つ目の写真撮るときには泥舟に夢中で気がつかなかったが次に紹介する高過庵がひょっこり映っている
高過庵
Time誌に世界でもっとも危険な建物トップ10に選ばれている。6mある2本の木(3本に見えるが枝分かれしているだけ)に支えられている。支える枝の数は多いが「茶室 徹」のように幹が太くないので本当に枝の上にポンと茶室を置いただけに見えた。こちらもとても自然に溶け込んでいた。
低過庵
2年前に完成した竪穴式の建物
普段は三角屋根の形だが今日は茶会が開かれているので上部がスライドしてあいている。屋根がスライドして景色を見る形式も斬新で面白い
諏訪市民館のホームページを見ていれば藤森照信さんが解説してくださる見学会を50人限定で10月〜11月のどこかで行われるらしい。倍率が高そうだが申し込めたら是非行ってみたい。
飯田市小笠原資料館
SANNA
17時までと聞いて16時半にギリギリ着いたのだがもう閉館されていたのでまたいずれリベンジしたい。国の重要文化財である旧小笠原家書院を見下ろす形のピロティでカーテンウォールの建物になっている。ピロティの高さは手をあげてもギリギリ届かない程度で低めではあるが窮屈さは感じなかった。建物の長さは67mと長細い形になっている。
軽井沢建築旅行(2019.8.17)
KARUIZAWA NEW ART MUSEUM
西森陸雄
ファサード面の柱は角度がそれぞれ少しずれている。入口から奥までが見通すことができ、軽井沢の森が見通せる。ソファーが多数置いてあり、地元の人や観光客がおのおのくつろいでいた。作品も撮影できるゾーンがいくつかあった。
風通る白樺と苔の森
隈研吾+ジャン=ミッシェル・オトニエル
外部道路からの撮影のみ可能だった。
ジャンは出来上がるのはチャペルではなく聖域になるのではと述べておりフォトジェニックする場所と感じた。
脇田邸
アントニン・レーモンド
昨日に引き続きアントニン・レーモンドの作品
切妻屋根の骨組みが室内をより引き締めている。
ペイネ美術館
アントニン・レーモンド
ペイネ美術館は公園内に建てられており湖でボートを漕ぐ人を眺めることができる。
このカードは展示室が大きく3つ分かれておりそれぞれの部屋でスタンプを押すことで完成する。
軽井沢千住博美術館
今日一番印象的だった。建物に傾斜をつけて丸い中庭からの自然と建物が融合している。作品も壁につけるのではなく作品の壁をパーテーションとして作品が日差しで傷まないように考え配置してある。
スロープを下って独立したThe Fall roomという部屋の中に「ザ・フォール」という20m近い作品が展示されている。西沢立衛と千住博の作品を同時に見ることができ軽井沢に来たらまた立ち寄りたいと感じた。
セゾン現代美術館
もりおか歴史文化館で菊竹清訓の作品は好きになったがここでも菊竹清訓らしさを見ることができる。
光の入り方ひとつとっても壁に反射させて柔らかく光を入れている。梁の横幅が20cm程度に抑えているのに対して縦幅を2m近くの太さにしている部分が特徴。
作品を含め撮影可能な場所が多く、館内を写真に収めることができる。
12〜3月は開館してないので注意が必要
安藤百福記念自然体験活動指導者養成センター
着いた時には閉館していたがエントランスだけ撮影させて頂くことができた
外観のルーバーと内部とルーバーが結合している表現でシャープに見える。隈研吾の本は何冊か読んだことがあるが手がけた作品の多さ故に知らない建物も多いと感じる。
小諸TreeHouse
安藤百福記念センターに併設されている。
明日訪れる予定の高過庵と同じツリーハウスである。コロワイ族が他民族から身を守るために作られたが現在では娯楽の要素が大きい。